瀬戸内に溶け込む
仁尾町の深い緑に包まれた高台に、燧灘を望む小さな木の家が完成しました。
建物は、山の風景になじむ片流れのシンプルな形です。山の斜面に沿って流れる風が、心地よく通り抜けます。
アプローチから玄関土間へと続く壁面の大谷石が、訪れる人をやさしく迎え入れます。
玄関土間と一体になったリビングダイニングには、季節を告げる大きな引き込みの開口部があります。
その先にあるのは、瀬戸内の景色に飛び出す広いウッドデッキ。また、そこに深く張り出した軒がより一層、その景色を際立たせます。
豊かな仁尾の海や山、空の景色と暮らしが一体に繋がります。
夏はウッドデッキでバーベキューをしたり、夕涼みをしたり。
冬は、土間に据えた薪ストーブで暖をとったり、料理を楽しんだり。
そして、一年中燧灘へ沈む美しい夕日と共に、ゆったりした時間の流れを感じることができます。
仲南の森で伐採した七寸の桧の大黒柱は、家をしっかりと支え、住まい手と共に時を刻んでいきます。
海と山と空とつながり、瀬戸内に溶け込む小さな木の家です。
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