土塗り小舞壁勉強会

「讃岐の舎」では日本の伝統素材をできるだけ大切にしたいと考えています。竹を組んで土壁を塗る方法もその一つです。香川県は全国的に見ても「土塗り小舞壁」の技術がまだまだ残っている地方だと思いますが、年々数少なくなっているのも事実です。「讃岐の舎」でも特別仕様として設定している「土塗り小舞壁」の勉強会を開催しました。

       開催日時:2003年5月22日(木)PM7:00〜PM9:00
       開催場所:香川県三豊郡仁尾町

縄の編み方を説明する竹材屋さん 竹を編む縄にもいろいろあります。上から藁(わら)縄・麻縄・ビニ−ル縄・しゅろ縄。藁縄を水につけて編むと、乾燥後よく締まって良いようです。
竹割り機。昔はこの道具を使って手作業で竹を割ったそうです。竹の太さによって三つ割、四つ割、五つ割、六つ割を使い分ける。 土壁の原料(石膏土・海砂)
石膏土は豊中産、海砂は瀬戸内海産だそうです。
土壁の原料(粘土・すさ藁)
粘土は高瀬産、すさ藁は農家から・・
左官さんに荒壁塗りを実演してもらいました。素人ではこうはいきません。 片面を塗り終えると、「裏返し」塗りです。この後「大直し」塗りを両面行う、計4工程が土壁塗りの基本。それぞれの工程を、時間をかけて乾燥させながら行います。さらに漆喰や珪藻土で仕上げる場合は、片面「下塗り」「上塗り」の2工程が加わります。塗り壁は手が込んでいるんです。

■■竹について
竹にも種類がいろいろあります。最近は中国産の孟宗竹(もうそうちく)がタケノコとしても食べやすいことなどから、日本の竹林がほとんど孟宗竹に取って代わられようとしています。土壁下地に使う竹は、真竹か淡竹(はちく)だそうです。孟宗竹は虫が付いて大変なことになるとのこと。竹は4〜5年生が良く、切り旬は10〜12月頃。
香川の小舞竹はほとんどが四国産の真竹で、産地は吉野川の河川敷、四万十川上流、大洲の3箇所が主。講師の竹材屋さんは四万十川と大洲の竹を使っているそうです。
ちなみに吉野川のものは川のすぐ近くに生え、四万十と大洲のものは山あいに生える竹だそうでそれぞれ「川竹」「山竹」と呼ばれ、同じ真竹でも生える場所によって少しづつ性格が異なるのだそうです。
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